アトピービジネス

スポンサーリンク

病気とか死とか将来への不安とか、そういった人の抱える弱みに付け込んでお金を儲けようとする人たちが必ずいます。まぁ程度の差はあれど殆どの商売がそうなのかもしれません。これから話すアトピービジネスなんていうのは、ちゃんと冷静になれば明らかに怪しい(おかしい)と気づけるものが多く、まだマシな方かもしれません。

それよりも騙されていること、弱みにつけこまれていることに全く気づかせないほど巧みなやり方をして人々の日常に入り込み、お金をボロ儲けしている人達もそこら中にいるので、そちらの方が恐ろしいといえます。世の中の人々は搾取する側とされる側の2つしかいないと言われますが、搾取する側にまではならなくとも確かな知識と信念をもって悪い人に騙されずに(カモにされずに)生きていくことが重要ですね。

と、変な話になってしまいました。

自分がこれまでよく見かけたのは、ふとネットでアトピーのことを調べていると、自分とそっくりの酷いアトピー症状の画像(サイト)が出てきて、下へスクロールしていくとアトピー患者なら誰にでも当てはまるような日常の辛さをお涙ちょうだい風に延々長々と書いてあり、最後は「これを使ったら私のアトピーはこんなにキレイになりました!」と、まぁ確かにそこそこ綺麗になった御自分(別人?)の皮膚の画像と共に聞いたことのない化粧品かクリームの大きなリンクが貼られている。大体そんなものは市販の数百円のものと効能はさして変わらず(いや使ってないので正直解りませんが)。そんなものでも藁にもすがる思いの我々患者達は僅かな希望にかけて買ってしまうわけです。そうやってそこまで効果のない(市販の塗り薬やサプリとほぼ同じ)商品を高い値段で売りつけるのがアトピービジネスと呼ばれるものです。

そんなサイトをこれまでいくつも見ました。脱ステ直前、ステロイドが効かなくなって不安と焦りのど真ん中にいた自分にも、その商品たちはまるで希望の光のように見えました。自分にとって問題だったのはどれもこれも結構高額だったことです。お金があったら片っ端から買っていたかもしれません。貧乏で本当に良かったです(?)

他にもプロバイオティクス、重金属デトックス、〇〇欠乏症に効くサプリ、etc 見ていると確かに試したくなってしまうようなものは多々あります。でもそれらを使って本当に改善する人はどれだけいるでしょうか。

ただ問題なのは高い値段を出して買ったとしたらそれだけ「効いてくれなきゃ困る」と思ってしまうと思うので、他の要因で改善したとしても、その買った商品で改善したんだと自分に言い聞かせる心理が働いてしまいそうなので、本当に改善しているかは別として「効いた」と思ってしまう人は少なくないでしょう。

アトピーの人のもつ悪化因子と改善方法がそれぞれ違い、それを本人はおろか医者にも特定しづらいことが、悪徳な商売を蔓延らせてしまう原因かもしれません。

何れにしても塗ったり飲んだりしたら、みるみる赤みが消えて肌が強くなり、アッという間にツルツルぴかぴか。そんなトンデモ美容液やサプリは無いと思いますし、あったとしたらほぼ間違いなくステロ●ドが入っています。人間の体というのは悪くするのも良くするのも、長〜い時間がかかるものです。自分の生活習慣やストレスには目を宛てず、結果だけを急いでしまう患者側にも責任はありますね。

自分は脱ステ・脱保湿を始めてからは外側から皮膚に塗る(つける)ものすべてが悪と思うようになってしまったので、そういうものに惹かれることはなくなりました。まぁそれもそれで偏りすぎ、というか極端から極端へ考えが変わっているわけなのでどうかと思うところはあります。本来は何事も極端な引き算でも足し算でもなくバランスが大事なはずなので。

数年前からSNSでも定期的に皮膚の画像を載せたりしているのですが、そこに最初に皮膚の画像を載せた時から、怪しい商品をすすめるDMがたくさんきて驚きました。化粧品やら水やら塩やら、よくわかりませんがその手の商品は多種あるようです。やはりまだまだそういう人たちはいるんだなぁとなんだか感心してしまいました。でもSNSで写真を上げるようになってからは、自分と同じように悩んでいる方や、辛い状態から寛解された方との意見の交換や励ましの言葉なども頂けるようになり、悪いことばかりではなかったなと思っています。自分の周りにはアトピーの人はいなくて、ずっと孤独に治療にあたってきましたが、ネットを通じてでもそうして励まし合えるというのは非常に救いになるものだなと身をもって感じました。

重症アトピーを長い間経験していると自分の体の感覚にどんどん鈍感になってゆくような気がします。今までは不快だと思ったらすぐに避けていたことも、皮膚のことで慢性的に不快なので、何が自分を不快にさせているのかわからなくなっているような。自暴自棄とも言うのでしょうか。どんどん自分を大事にしなくなっていってしまっているような感覚もあります。

なるべく自分の体の声に耳を傾けてあげて、本当に自分が欲しいもの、望んでいるものは何かをよーく考えることも必要だなと感じています。

コメント